これからの企業におけるキャリアコンサルタントの役割

2019年02月12日 佐野 真裕美

「人生100年時代。75歳定年の時代が来る」
「1つの会社にずっと勤める時代ではない」
「副業・複業・兼業が当たり前の世の中に」
「AIが人間の仕事を奪う」


どれも一度は聞いたことがありますよね。

どうやら社会の変化のスピードはどんどん加速する一方で、わたしたちはその予測不可能な変化に対応する必要があるというのは事実のようです。そして、実際に自分の人生にどう影響があるのか、自分ごととして捉えてさっそくなんらかの行動を開始している人もいれば、漠然とした不安はあるものの、特に何もしていない人もいることでしょう。

変化に対応できる人材であるには

予測できない未来の変化に対応するとは、いったいどういうことなのでしょうか。それは、次のような質問に自ら答えを出すことができるということです。
あなたはパッと答えられますか?

・技術の発達により、自分の仕事はロボットができるようになったら、自分は他に何ができるのか?
・会社の方針変更により、長年培ってきた自分のスキルがその会社では役に立たなくなったら、他社に転職するのか?あるいは別の技術を身につけるのか?
・現在50歳。定年が75歳となった場合、あと25年間、自分は同じ会社でどういう役割を担って行くのか?あるいは転職するのか?あなたはどのように周りの人々や社会の役に立って行きたいのか?

上記のような質問への答えが、いわゆるあなたのキャリアビジョンなのです。

キャリアビジョンを考えるのはいつ?

では、こうしたキャリアビジョンは、いつ考えれば良いのでしょうか? 

社会に出て働き始めるとき? 
結婚・出産・介護など、ライフステージが変わるとき? 
管理職になったとき? 
異動を命じられたとき? 
役職定年を意識し始めたとき? 
定年間近になってから? 

答えは、そのすべてです。いや、それ以上に「常に」考えていると良いと思います。そしてそのキャリアビジョンは、どんなに変わっても良いのです。

社員がキャリアビジョンを考えるのに、企業ができることは?

それでは、社員がキャリアビジョンを考えるために、企業ができることは何でしょうか? 

それは、キャリアコンサルタントによる「キャリアデザイン研修」と「キャリア面談」です。 企業においては、上司と部下の間での「目標管理の面談」や「職務スキルを上げるための研修」が実施されています。もちろんこれは、日々の仕事をうまく回すため、また業績を上げるために必須なことです。 その上で、社員が変化に対応できる人材になっておくために、自分の価値観を知り、自分の特性や持っているスキルを知り、何を大事にして仕事を含めた人生を生きていきたいのかを考える機会を提供することも企業の責任です。

事業の方針転換や企業を取り巻く環境変化が起こった際に、「これからの人生については、今、あなた自身で考えてください」ということほど無責任なこともないのではないでしょうか。ただし、これを上司・部下間で実施するというのも非現実的ですよね。そこで、キャリアコンサルタントの出番です。

キャリアコンサルタントの役割は?

キャリアコンサルタントは企業でのキャリアデザイン研修を通して、社員にキャリアビジョンを考えていただく場を提供し、研修中あるいはその後のキャリア面談にて、必要に応じてその考えを深める質問やアドバイスをします。キャリア面談では、社員個人個人のキャリアビジョンを語っていただき、それを現在の仕事や学び、仕事以外の時間の過ごし方に落とし込むように具体的に話をします。

そして、社員一人ひとりが主体的に自らの人生を考えて、変化に対応しながら能動的に生きていくための支援をするのです。 もちろん、企業の規模や業種、人員体制によって、キャリアデザイン研修の対象者や頻度、目的、内容は異なるものになります。キャリアコンサルタントは、企業の経営者や人事部と協働して、その企業に最適なキャリアデザイン研修の企画、実施、キャリア面談をトータルで実施し、単発ではなく継続的に支援をして行くことになります。これが、キャリアコンサルタントがこれからの企業において担って行く役割なのです

佐野 真裕美

国家資格キャリアコンサルタント。CDA。大学卒業後、大手消費財メーカーに7年勤務し、国内外の広告制作を担当。その後学習塾勤務等を経て大手英会話学校に16年勤務し、教師(8年)、スクールマネージャー&カウンセラー(6年半)、教師採用担当(1年半)を経験。2017年7月より個人事業主。現在はキャリアコンサルタント、直感コンサルタント、英語学習コーチとして、各分野における個人の支援や、個人・企業・学校向けセミナーの開催および補佐等を行っている。 https://ameblo.jp/chokkan-consulting