プロのキャリア支援者、国家資格「キャリアコンサルタント」は何者?何ができるの?

2019年02月05日 河原 哲史

国家資格 キャリアコンサルタントって何者?

キャリアコンサルタント」という言葉、どこかで聞いたことあるかもしれませんが、でも実際のイメージは、はっきりしていないのではないでしょうか?

初めてお会いした方に「キャリアコンサルタントです」と自己紹介すると「それはどんな仕事ですか?」と聞かれることが非常に多いです。時には「経営コンサルタントですか?」と聞かれることもしばしばあります。人事や人材業界では知られていても、一般の人たちにはまだまだ知られていないと感じています。今回はキャリアコンサルタントとは、「一体どんな仕事?」、「どんなところで活躍しているの?」「どんなことしてくれるの?」ということについて紹介します。

まず始めに、厚生労働省の定義によると、

”「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業設計又は開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。”

また、“「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍している。”となっています。

キャリアコンサルタントは単に就職や転職の相談に乗るだけではありません。わかりやすく言うと、相談者が「自分らしさ」「ありたい自分」に気づき、自ら自分のキャリア(仕事だけではなく、人生も含む)を切り開いて行けるよう支援する仕事です。このように人生の選択に関わる、重要、かつ、責任のあるコンサルティングを行う仕事です。

キャリアコンサルタントが国家資格になった背景

キャリアコンサルタントは国家資格に

平成27年の職業能力開発促進法改定を経て平成28年4月に「キャリアコンサルタント」という名称で国家資格となりました。

それまでは、民間団体による「キャリアカウンセラー」という民間資格がありましたが、各団体によるカリキュラムや試験内容、水準にバラツキがありました。また、国としてもキャリアコンサルティングの重要性を広く周知し、キャリアコンサルタントの活用を進めて行きたいという狙いがあります。

国はキャリアコンサルタントの数を平成36年度末までに10万人とすることを数値目標としています。厚生労働省の発表によると、平成29年度末時点でキャリアコンサルタントの登録者数は33,817人となっています。このような背景から、キャリアコンサルタント養成講座を開校しているスクールも多く、現在、人気のある資格の一つになっています。

キャリアコンサルタントが活躍している分野

では実際にキャリアコンサルタントが活躍している分野をいくつか紹介します。 

独立キャリアコンサルタント

会社や組織に所属せず、独立してキャリアコンサルティング業務を行なっています。企業や団体から委託されて、従業員へのキャリアカウンセリングや、研修やセミナーの講師など行なっています。その他、高校や大学などでキャリア教育や講演活動を行なったりしています。

 民間人材ビジネス

コーディネーター職や営業職などで、派遣スタッフや転職希望者と求人企業との間に立ち、双方にとっての適切なマッチングなどの業務を行なっています。

公的就労支援機関

ハローワークなどの公的就業支援機関で、求職者の職業選択、実際の求職活動などの支援に携わっています。

大学などの教育機関

大学のキャリアセンターなどで、学生の自己理解・自己分析や進路選択、企業研究、求職活動などの支援に携わっています。また、学内のキャリア教育のプログラムを立案、実施などの活動を行なっています。

一般企業

企業の人事や教育関連部門で、採用や定着支援、従業員の意欲や能力開発に関する業務に携わっています。大手企業では、社内に従業員のキャリア上の相談を受ける専門部署を設けているところもあります。

上記で紹介したのは、いつくかの代表的な分野であり、他にも様々な分野で活躍しています。

キャリアコンサルタント活用のメリット

キャリアコンサルタントを活用するメリットは、上記で紹介した分野により様々ですが、その中でも私が主に行っている企業での活用メリットを紹介します。

企業の経営者にお会いすると、多くの企業が人材に関する様々な課題を抱えています。その中でも、採用定着率の問題はとても深刻です。仕事があってもそれをこなす人材が不足していて、業績が上げられない、場合によっては事業を継続できないといったケースもよく見られます。それらの原因の一つに、「会社に入ってみたものの、思っていた仕事のイメージと違う」「上司や同僚との人間関係」「将来に対する漠然とした不安」などの理由から一人で悩む従業員も多く、結果として退職という選択をしてしまいます。

そういったことを防ぐために、キャリア支援のプロキャリアコンサルタント”による従業員との個別面談“キャリアコンサルティング”を定期的に行うことがとても効果的です。従業員との一対一の個別面談を通じて、今抱えている課題、仕事への向き合い方、今後どんなキャリアを目指すのかなど、一緒に考えて助言、支援していきます。このように従業員一人一人のキャリアプラン作りの支援を通じて、職場への定着や仕事への意欲を高めていくことができます。

さらに求められるキャリアコンサルタントの役割

現状の取り巻く環境を見てみると、少子高齢化に伴う労働人口の減少、育児や介護の両立など働き方の多様化、長時間労働の問題、若手社員の定着率の低さ、また、外国人人材やAIによる職業への影響など…。これほど「働き方」について注目、議論されている時代はないのではないでしょうか?

このように「働き方」への変革が叫ばれている時代において、キャリア支援のプロとしてキャリアコンサルタントの役割は、より一層多くの企業や団体、学校、また、個人に対してもさらに重要性が強まってくると考えています。

河原 哲史

大学卒業後、大手自動車部品メーカーに15年間勤務し、その後、外資系自動車関連企業、海外現地法人(ドイツ在住)、個人事業主など様々な仕事を経験。そして、これまでのキャリアをもとに2017年7月キャリアコンサルトとして会社を設立。設立後1年間で22社の企業に対しセルフ・キャリドックを実施。その他、企業の採用代行業務、有名私立大学・私立高校にて学生への就職相談。また、自分自身のキャリアを基にした講演会も行っている。 https://career-ct.com/